庭仕事
作庭後記
ここは施主さまのご実家でした。
2年前、私たちはここに生い茂る草を刈っていました。沢山の大きな木々もありました。
それからしばらくしてここに施設をつくることが決まり、
施主さまは先代が残された紅葉の木をシンボルツリーに残したいとおっしゃり、そこからすべてが始まりました。
隣接する土地は市の所有でそこにも大きな木が3本ありました。
同時期にそこも整地されることになりそれらの木も伐採される話になっていましたが、
施主さまの要望で1本だけ残してもらうことになりました。秋楡です。何十年もかけて大きくなった木々はそこにいるだけで十分な存在感と生命力を感じます。
造成工事が始まって更地になって残ったこの2本の大木が少し不安げな感じだったことを今も忘れません。建物が建ち、それぞれをつなぐ植物たちがやってきて、庭師の手が入り、人々が注目してくれる。もう不安はなくなり、私たちを和ませてくれます。
高台からの急斜面に桜が13本。ご近所さまに楽しんでもらえるようにとこれもまた施主さまのご提案で、
来春が楽しみです。
緊急事態宣言が発令されている最中での施工工事でした。向かいにある大きな自然公園の新緑の美しさ、鳥のさえずりにとても癒されました。いつか私たちがつくったこの庭も自然の一部のように人々を癒してくれる、そんな風景になってくれたらとてもうれしいです。
date 2020.6
client 児童発達支援 デイサービス POSSE
type 施設
location 大阪府吹田市
partner 緑志園 久志本広紀
photo 河田弘樹
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